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経営者の魅力的と条件についての説明をしております。 |
事業の重要点
様々な判断基準で事業をしていくと、ほとんどすべての重要な事業はみずからで抱え込むことになり、その結果、先のことを考える時間がなくなってしまう。いつまでたっても部下が育たない。ある日、私は、絶対に私でないとできない、事業以外は、すべてほかの営業スタッフに任せるという決断をした。
その結果、なんと私には事業がひとつも残らなかったのである。つまり、みずからにしかできない事業を、私は何ひとつやっていなかったということだ。これでは売り上げが止まって当然である。
そしてもうひとつの大きな誤解が、経営とは管理すること、とばかり思い込んでいたということだ。昨今の不況の中で苦しんでいる経営者には、かつての私と同じ誤解をしている経営者が多いのではないか。
経営とは人・モノ・金を管理すること、、そう思つてはいないだろうか。経営とは戦略を立て、その戦略に沿って人・モノ・金を動かすこと、である。かつて既存のビジネスモデルの中で管理、さえしていれば業績があがった時代に、経営者は大きな勘違いをしてしまったのだと思う。
経営とは、その時代に即したビジネスモデルをつくり上げることである。もはや終わってしまったビジネスモデルの中で、いくら営業スタッフが努力しても業績は回復しない。恥ずかしながら、私は、経営者としては何も考えていなかったということだ。今思えば、本当によかったと思っている、それが、経営とは何かということを学ぶきっかけになった。
本当に苦しい時代だったが、これを気づかせてくれたと思えば、不景気に感謝したいくらいだ。今でも私はゆえんでも経営者歴はたった三年、と言うのだが、その所以はここにある。
おかげで、経営に対する考え方はずいぶん変わった。たとえば、昨年度のわが社のスローガンは勝つべくして勝て、だった。それは、売上目標を立てて、それが達成されたとしても、よかった、ではすまさないということである。
いかに計算どおりにいったか、計画どおりにいったのはなぜなのかということを突きつめて考えよ、ということだ。がむしゃらに働いて、その結果、気づかないうちに目標を達成していました、では達成の意味はない。そうではなく、なぜ達成したのか、という仕組み、プロセスを明確に語れという要求をした。
魚はモリではなく釣りに、次は養殖にと、必ず勝てる仕組みを確立している企業、あるいはそのプロセスを大切にして新しく築いていく企業を選びたいものである。社長で今の給料ほどにかせげるかどうか、十年ほど前、海が川より偉大なのは、川より低いところに身を置くからだ、という、老子の言葉にぶつかった。感銘を受けてしばらくもち歩いたものだ。
人間偉くなりたいと思ったら、偉そうにしてはいけない、人の上に立とうと思ったら、みずからの重さを感じさせてはいけないのだという、戒めの言葉に思えたのである。私はこの言葉を知ったころからみずからが変わったように思う。
人の後ろに身を置き、人のプライドを尊重しなければ、川の流れが海に注ぐように人が集まってくるようにはならないと私は解釈した。営業スタッフにとって、社長というものは、そこにいるだけで重い存在だと思う。
一口いたいことも言えずにいるかもしれない。営業スタッフが思う存分力を発揮できるように、いかに重さを感じさせないかが大事だと思う。社長というのは、もちろん最終的に責任を取らなければならない立場にいる。営業スタッフのために経営に命をかける。
みずからがいちばん偉いと思っている社長が多いのだろうが、ただ社長の立場にいるというだけで威張っていていいということにはならない、と私は思うのだ。たとえば、社長たるもの、かりにみずからがいなくなったとき、どのくらい業績が落ちるかを考えてみてほしい。短期的に業績に差が出ないようにリスクヘッジをしておくのも、たしかに社長の事業ではある。
しかし長期的に考えても業績に差が出ないとすれば、それは社長がその人でなくてもいいということになる。つまりその社長は、できる杜員に頼っているぶら下がり社長、なのだ。いくらなんでも、社長がぶら下がっている、などということはないと思うかもしれない、できない営業スタッフだけでなく、社長までもができる営業スタッフにぶら下がっていることは往々営業スタッフの価値を高める魅力的な経営者の条件にしてあるのだ。
専務、常務などが一族という場合、営業スタッフは、その家族を養うために働くという社長にかぎって、営業マンに、給料の三倍稼ぐ社長ならば給料の一倍は稼ぐ覚悟が必要だろう。要するに、社長が今会社を辞め、社長でなくなったとしても、今の給料に見合うだけの稼ぎができるのかどうかを考えてみてほしいのだ。
会社を辞めたら、みずから個人の力でどのくらい稼げるものかを試してみたいと思っている。今より下がってしまい、今までもらいすぎていた、ごめんなさい、になるかもしれないが、それでも試す価値はあると思っている。
資本主義はピンはね制度とよく言われるように、一般的にオーナー社長は、その働きに対して給料を取りすぎているケースが少なくない。みずからにそれだけの価値があるかどうかをよく考えるべきだと思う。搾取できる立場にいるのだから、搾取していないかどうかを考えるべきなのである。
社長たる者、社長だからという理由ではなく、事業ができるからという理由で尊敬されたいものである。